歯科医院選び

中学生の歯列矯正事情

中学生は矯正のベストシーズン

歯列矯正を始めるベストシーズンはいつかご存知でしょうか?
小学生など、小さい頃から始めた方が良いという意見も良く聞きます。
確かに小学生から始めることで、治療の幅は広がりますし、得られるメリットは大きいと思います。
顎の骨格を大きくする治療は、小学生の頃にするのが一番効果的とも言われています。
年齢を重ねてから顎を拡げようとしても、骨が固まってしまっており、なかなか上手く拡げることが出来ません。
顎の成長と共に拡げてあげることで、歯が並ぶスペースを作ってあげるのです。
そうすることで、歯列矯正で抜歯をするリスクを減らすことが出来るのです。

しかし、私は中学生がベストシーズンだと思っています。
効果や歯の動き方だけを見れば、小学生の矯正が良いかもしれませんが、中学生になってから行うことのメリットも多く存在します。
実際に私は中学一年生から3年間、矯正治療を行っていました。
その時に感じた気持ちも合わせてご紹介したいと思います。

小学生の矯正は継続しにくい

小学生の頃から始める矯正は2回にわけて行われます。
第一期治療と第二期治療というものです。
第一期矯正は、乳歯と永久歯が混合されている時期に行われる矯正治療で、生え変わるタイミングや成長の時期を狙って、あごの骨を拡げる治療を行います。
歯並びが悪い人の多くは、永久歯が生えるスペースがないことが原因です。
歯が並ぶスペースを拡げて、まっすぐ生えるようにしてあげます。
第二期治療は、永久歯が生えそろってからする矯正治療になります。
最終的な調整として、歯にブラケットやワイヤーを用いてキレイに並べていきます。
大人が使用する一般的な矯正方法とほとんど同じものを使用します。
ただ、第一期治療の過程で顎の骨を拡張しているので、抜歯をするリスクや、歯を大きく動かすというリスクが少なくなっています。
そのため、通常の矯正期間よりも短く治療を終えることが出来るのです。

このように、小学生から治療を始めると2回に分けて行わないといけないのです。
確かに、第二期治療は、成人矯正と比べれば期間が短縮されることが多いです。
しかし第一期治療の期間も合わせると、かなり長い期間、矯正具を装着しないといけません。
また小学生の頃は、お洒落に興味がない子が多いのは事実です。
自分の歯の形にもそこまでコンプレックスを抱えることがないのです。
歯の形よりも、矯正具を装着しているという方がストレスを感じていました。
つまり、両親が矯正をすすめるから仕方なくするのであって、自分の意思でしたいと思っている子がほとんどいないのです。
無理やり歯列矯正をやらされていると感じてしまうため、第一期矯正が完了して、二期矯正までの少しの期間で離脱してしまう人もいるのです。

中学生は自分の歯列に興味を持ち始める

私自身も、小学生の頃はお洒落に無頓着でした。
朝起きて、寝ぐせがついていても気にせず登校していました。
そんな私も中学生になると、周りの女性の目が気になり始めるのです。
朝起きて、寝ぐせがついていたらちゃんと直して、ワックスを付けて登校するようになりました。
中学生は思春期で、周りの全てが気になり始めます。
自分の身長が低かったらコンプレックスを感じたり、眼鏡をしていたら、コンタクトに憧れたり。
歯並びに関しても、気になり始めるのは中学生頃なのです。

自分が気になる時期に歯列矯正を始めるのと、興味ない状態でさせられるのでは、治療に対するモチベーションが全然違います。
最近ではマウスピース矯正という目立ちにくい矯正をする人も増えてきていますが、この矯正はしっかり装着しないといけないルールがあります。
モチベーションの高さで継続力も変わってくるのです。
小学生の頃に興味がないのにさせられるのと、中学生に上がり興味を持って始めるのは大きな差があると私は思っています。

成長期の歯は動きやすい

中学生の時期は、骨格の成長期ということもあり、歯がスムーズに動きやすいのです。
大人になってから歯を動かそうとしても、なかなか動きにくいのですが、生えたばかりの永久歯であれば動きやすいのです。
そのため成人矯正に比べて治療期間も短くなります。
また永久歯が虫歯になってしまうリスクも少ないため、矯正治療にのみ専念できるのも大きなメリットです。
しかし、デメリットとして歯のスペースが確保できない場合は抜歯しなくてはいけません。
小学生の頃に始めた人の唯一といっていい特権が「抜歯のリスクを回避できる」という事なのです。
それでも、私は矯正をしたいと思えるかどうかという気持ちが大事だと思っています。

思春期の矯正はコンプレックス

とは言っても、思春期真っただ中の時に、歯列矯正で装置を付けるのはコンプレックスを感じます。
私が若いころは銀色のワイヤー矯正がメジャーだったので余計に嫌でした。
しかし、最近ではその見た目の部分が大きく改善されて、目立たない矯正が増えました。
歯の裏側に装着するリンガル矯正や、マウスピース矯正は装着していることがほとんど分かりません。
金額の面でも、小学生の頃に始める場合よりも安く済むことがほとんどです。

気持ちの面や、継続力、治療の期間や金額を考えても、私は中学生から始めるのが良いと思います。