歯列矯正は長期的
歯列矯正は、治療を開始してから完了するまでに長い期間を要します。
一般的には、歯の移動に2~3年かかり、保定期間に1~2年かかります。
ずっと同じ歯科医院に通い続けるのが理想ですが、仕事をしている人だと急な転勤や引っ越しがある可能性もあります。
そのような場合は、転院をすることが可能です。
歯科医に相談すれば、治療を引き続き行ってくれる歯科医院を紹介してくれます。
ただ、矯正歯科によっては、矯正費用がパッケージプランになっている場合があります。
装置代や毎回の調整費、通院費用が含まれている場合は、返金されるのでしょうか?
もしくは、他の歯科医院に行っても同じ条件で通院することは可能なのでしょうか?
今回、歯列矯正と転勤に関するリスクを調べてみました。
紹介状を書いてもらう
歯医者さんによっては、いくつか提携している歯科医院があったりします。
その場合は紹介状を書いてもらう形になります。
転院の希望を担当医に伝えて、引継ぎのための診断書、紹介状を書いてもらいます。
ただ、地方でやっている個人歯科医院の場合は自分で探さないといけない事もあります。
歯列矯正は長い期間通院しないといけないもので、歯科医とのコミュニケーションも大事になってきます。
転勤先で歯科医院を探す時間があるのであれば、直接伺って決めた方がいいかもしれません。
歯科医院の対応
歯科医院には2種類のタイプがあります。
地域密着で個人が営業している歯科医院と、グループで営業している歯科医院です。
営業形態によっても、引継ぎの方法が変わります。
最近の矯正治療では、矯正料金がパッケージプランになっており、最初に一括で払う事もよくあります。
例えば矯正費用80万円の中に、毎月の調整費が含まれていたり、精密検査料が含まれていたり、保護観察料金、リテーナーなどの後戻りを防ぐ器具が含まれていることもあります。
治療の過程によっては、返金出来る可能性もあります。
払い戻しは、矯正方法によっても異なります。
個人の歯科医院に確認した所、どのような矯正方法でも払い戻しは可能のようです。
最初に一括で支払いをした場合は、通院回数をもとに金額を算出し、残り分を返金してくれます。
月々払いのデンタルローンを利用している場合は、総支払金額から、残り分を引いた額を支払うようになります。
しかし、転院した場合は余分にお金がかかるケースが大半です。
100万円のパッケージプランがあったとして、70万円して残りの30万円が転勤の際に返金されたとします。
紹介してもらった歯科医院に行って、継続的な治療を行っても、30万円で治療を引き続き行うという事は難しいようです。
歯科医の話によると、本来かかる料金よりも確実に余分なお金がかかってしまうとのことです。
全国展開をしている歯科医院であれば、転勤しても、系列店で治療を引き続き受けられる可能性があります。
ただ、歯科医によって治療計画も変わりますので、転勤が確定していない曖昧な時期の矯正は控えた方がいいかもしれません。
特に抜歯や、外科治療を必要とする矯正治療の場合は、最低でも1年ほどは歯科医院を変えない方がいいでしょう。
歯列矯正で、引継ぎ治療を行うのを嫌がる歯科医も意外と多いようです。
金額面もですが、治療方針の変更が変わるのは矯正治療ではあまりよくありません。
現在転勤があって、矯正治療を考えているのであれば、新しい転勤先に移動してから矯正治療を行った方が良いかもしれません。
転勤の可能性を伝えておく
歯科医を変えないには越したことがありませんが、転勤の可能性があるならば、最初に相談してみるのもいいでしょう。
転勤の期間が半年以内とかであれば、継続して通うことをお勧めします。
歯科医によっては治療方針や計画は変わります。
いくら診断書や紹介状で伝えてくれても、歯科医が変わると内容も変わります。
結果、最短の治療ルートからは外れてしまう事もあります。
私の友人は、矯正治療中に3年間転勤をしました。
距離的には大阪から名古屋と微妙な距離で、転院するか迷ったそうです。
帰ろうと思えば帰れる距離だけど、毎月帰るにはお金もかかるし、時間もかかる。
結局は、転院をせず、同じ歯科医院に通い続けるという選択肢を取りました。
友人が選んだ歯科医院の良かった所は、土日でも営業していたということ。
土日が営業してなければ、休みを合わすことが出来ずに難しかったでしょう。
そして、治療期間の融通を利いてきれたそうです。
1か月に1回通うのは難しいという事で2か月に1回にしてもらったそうです。
結果として、矯正期間は伸びてしまいましたが、通院にそこまでの負担はかからなかったようです。
これも歯科医に転勤の事を伝えて、相談したことで決まったそうです。
したいと思った時に矯正治療を開始する事をおすすめしますが、転勤の可能性や通院できなくなる可能性があれば少し考えてください。
どのような矯正治療でも長期的にかかります。
歯列矯正には期間がかかるという事を理解した上で始めてください。