ブラケットワイヤー矯正

歯列矯正で抜歯はすべき?

歯列矯正で歯を抜くべきか

歯っちゃん
歯っちゃん
矯正歯科に行って、ブラケット矯正をはじめようと思ったら、歯を抜いたほうが言われちゃった。抜くの怖いし、そんな事言う歯医者さん嫌だな。抜かないでもいい矯正ってないのかな。
歯教授
歯教授
大切な歯を抜くのは心痛むね。でも見た目をよくしたいのであれば、抜くケースが多いんだよ。見た目を重視したいのであれば抜いたほうがいいかもしれない。もちろん歯医者さんも抜きたくて抜くわけじゃないんだよ?

矯正歯科で矯正を始めるにあたって、初めに歯科医にカウンセリングをしてもらいます
歯並びが悪い方は、あごの骨が小さく、歯がキレイに整うスペースが足りないケースが多いです。
そのため、犬歯の後ろにある第一小臼歯を抜いて、隙間を作り、歯列矯正を進めていくのがスタンダードとなっています。
抜歯する歯は、上あごと下あごの第一小臼歯を2本~8本抜いていきます。
もちろん、虫歯でボロボロになった歯を抜くのではなく、健康な歯を抜くので、歯科医としても出来る限り抜きたくはありません。
しかし、抜くことにより大きく前に出た歯は、キレイに収まりますし、突き出た八重歯も本来あるべき場所に収まるのです。
歯並びが良くなることで、フェイスラインも大きく変わります。
健康な歯を抜いて、見た目が大きく変わるのであれば抜いたほうが良いのかもしれません。

抜歯するメリットとデメリット

抜歯する最大のメリットは、歯が収まるスペースが出来るということでしょう。
歯並びが悪い方は、スペースが足りません。第一小臼歯を抜くことで、前歯や八重歯の移動が簡単になり。キレイな歯並びを目指すことが出来ます。
大きなスペースを作ってあげるという事は、歯列矯正後の後戻りにも影響してきます。
スペースがない状態で無理やり歯を動かしてしまうと、歯が戻ろうとしてしまいます。
スペースを十分に確保した状態で動かすことで、後戻りのリスクを減らすことが出来るのです。
歯をキレイに並べるだけでなく、噛み合わせのことまで考える余裕が出来るのも大きな利点です。

しかし、それ以外はすべてデメリットになると言っても過言ではありません。
健康は歯を複数本失うというのは、身体にはあまり良い事ではありません。
歯を抜いた部分は、骨が痩せ衰え、噛む力も弱くなってしまいます。
現在では抜かない非抜歯矯正というものもありますが、審美性の問題を見ると抜いたほうが確実にキレイになります。
抜くことで治療の幅も広がるので、一度歯科医に相談してみてはいかがでしょうか。

抜かない矯正

第一小臼歯を抜かない、非抜歯矯正という言葉を最近よく耳にします。
名前の通り、歯を抜かずに歯列矯正をする方法です。
健康な歯を抜かずに、治療が出来るのであればそれに越したことはありません。
しかし、全ての方が抜かない矯正を出来るかというと、そういうワケではありません。
抜かないでも治療が出来るスペースが確保できる場合は、抜かない治療を出来るというように考えてください。
抜かない歯列矯正の方法は3つあります。

  • 奥歯を移動させる
    抜かないと言っても、親不知は抜歯しなくてはいけません。せっかく歯並びを整えても、後から生えてきた親不知に押されて、奥歯から全体的に歯がズレてしまう可能性があるからです。そのため、事前に親不知は抜くようにします。
    そして、親不知を抜いたスペースに奥歯を移動させていきます。昔のワイヤー矯正は、奥歯を支点にして移動させていましたが、インプラントを用いたワイヤー矯正であれば、奥歯よりもさらに奥に支点を作ることが可能なのです。そのため奥歯の移動が可能になります。
  • 歯列の幅の拡張
    歯が生えている幅(アーチ部分)を拡げて、スペースを拡げます。広げると言っても数ミリ程度なので輪郭が変わる恐れはありません。
  • 歯を削る方法
    歯の表面のエナメル層を削って幅を広げる方法です。1本1本削っていくため、時間はかかりますが、確実にスペースを作ることが出来ます。
    1本あたり0.2mm削ることが出来れば10本で2mmの空間が出来ます。削った表面は虫歯がならないように処置をしますが、エナメル質を削ってしまうので歯が弱くなってしまいます。少しのスペースの確保であれば向いていますが、大きなスペースを求めているのであれば抜歯んも方が良いでしょう。

抜歯して満足なケースが多い

非抜歯矯正というものもありますが、審美性の部分で言うと抜いたほうが確実にキレイになります。
健康な歯を抜くという事に抵抗がありますが、実際に治療が終わった後は抜いて良かったと思う方がほとんどです。

非抜歯矯正は、抜歯する矯正に比べて小さなスペースを必死に作ろうとします。
時間をかけても出来るスペースは、抜歯をする矯正に比べてそこまで大きくありません。
そして奥歯を動かしたり、歯を削るという方法は時間がかかってしまうので、矯正器具を装着する期間も伸びてしまうのです。
非抜歯が良いか、抜歯するのかが良いかと言われれば抜かない方が良いのは歯科医もみんな分かっています。
そのうえで、患者さんに満足してもらうために「抜く」という選択を歯科医はしているのです。
抜くと言われて不安になったのであれば、その選択をした理由をしっかり聞いてみてはいかがでしょうか。