セラミック矯正

歯科医が話すセラミック矯正に潜むリスク

芸能人もしているセラミック矯正

芸能人のようなキレイな歯並びにあこがれて歯列矯正を始める人が増えました。
「以前まで歯並びが悪かったのに、いつの間に歯がキレイになったのだろう。」
そのようなタレントさんもよく見かけます。
歯並びをキレイにする方法で、セラミック矯正というものがあります。
主に、審美歯科で行われている方法で、見た目をキレイにする事に特化した歯科です。
メリットとして、短期間で歯並びをキレイにするという事があげられます。
矯正器具を付ける事のストレスや期間を考えれば、セラミック矯正のスピードはいかにメリットが大きいか分かります。
ただ、セラミックの被せものをするために、健康な歯を削るというリスクもあります。
今回は、四橋グリーンデンタルオフィスの吉田先生にセラミック矯正のリスクを聞いてみました。

ふー
ふー
最近芸能人の方でもセラミック矯正や、ラミネートべニアを貼っている人が多い。見た目がキレイになるのは良いが、健康な歯を削ることにリスクを感じてしまう。
吉田先生
吉田先生
状況にもよるが、私たちの目的は歯を守ることが仕事で、矯正も当然そうなのです。歯を削る、抜くといった事をするが、歯を守るためにしている。その人の人生で入れ歯になるリスクを減らして、人生を終えるその時までご自身の歯で食事をとれる事が歯科治療や矯正治療の目的になっている。別に見た目を良くしたくてやっているわけではないというのが根本にある。それを踏まえた上だと、セラミック矯正やラミネートべニアはあまりお勧めできないかもしれない。

セラミック矯正で歯茎は変わらない

吉田先生
吉田先生
セラミック矯正は見た目がキレイになるけど、削るから歯には良くないし、安くもない。セラミック矯正のメリットは期間が早いこと、歯の色や形を変えられること。
見た目も、歯の形は変わるけど歯茎の位置は変わらない。変な話、セラミック矯正で歯だけひっこめても、根っこの歯は出たままになっているため、不自然さが大きくなってしまう。

ふー
ふー
あくまでも見えている部分しかキレイに出来ないのですね。

吉田先生
吉田先生
2週間くらいで見た目が変わるからすごく治った感じがするが、3~4年すると違和感が出てきてワイヤー矯正にやり直す人もいる。セラミック矯正をした後に、ワイヤー矯正をする場合は、前の歯並びに戻してから並べないといけないため、すごく手間がかかってしまう。手間がかかる分、お金もかかる。すでにセラミック矯正でお金を使っているので、お金を取るのも気が引けてしまう。

ふー
ふー
治療に関してそこまで手間がかかってしまうのですか?

吉田先生
吉田先生
元の歯を削っているので形が分からない。そのためどんな歯だったか予想していかなければいけない。あくまで予想なので途中で動きが変わりやり直すこともある。患者さんにも負担が大きくかかるのであまりお勧めはしていない。

セラミック矯正はどんな人におすすめか

ふー
ふー
では、どんな人にセラミック矯正をすすめるのですか?

吉田先生
吉田先生
海外の人は、日本人よりも歯並びを気にする人が多い。そのため、2か月後に外資系の仕事の面接を控えているとかであればおすすめしてもいいかも。面接に受かって、お金を稼いで、最終的にインプラントにするという所まで計画しているのであれば問題ないと思う。アイドルの面接とかもそうですね。

ふー
ふー
なるほど。歯並びによって人生の転機がある場合はおすすめ出来るという事なのか。

吉田先生
吉田先生
普通に人生を生きていくのであればあまりお勧めできないし、リスクが大きいと思う。セラミックにすると50歳くらいで入れ歯になる可能性もあるのでしたい人にはきちんとリスクを伝えている。セラミック矯正は双方が納得した上ですることが多い。

セラミック矯正をすることで、すぐにキレイな歯を手に入れることが出来ます。ただ、歯を削るという事は、歯の寿命を縮めてしまっているのです。
若いうちからセラミック矯正をすることで、将来入れ歯やインプラントになるリスクが大幅に増えて、お金がかかったしまうという事を理解しておきましょう。

耐久年数はあまりあてにならない

ふー
ふー
セラミック矯正は、素材にもよるが10年も、20年も耐えうるのでしょうか。
吉田先生
吉田先生
形や耐久性は変わらないと思う。セラミック矯正をしたあとに、やり直す人は耐久年数が原因ではない事が多い。ガタガタの歯が横一直線に並んだらその瞬間は満足できると思うが、実際はキレイに並んでいるわけではない。そのため、早い人だと半年くらいすれば、何か思っていたのと違うと感じ始めてしまう。セラミック矯正で前歯だけ倒した人は、歯茎が出ているのが気になり、引っ込んだ歯並びに慣れてくると、鼻と唇の間が出ている事に違和感を覚えることがある。でもそれは、歯の根っこが出ている事が原因だから、セラミック矯正ではどうすることも出来ない。この場合抜いて全体的に下げる方法しかないが、セラミック矯正を始める時にそこまで目がいかない。分かりやすい前歯のガタガタだけに目が行ってしまう。そこだけ直して満足して気になって、2、3年後に後悔する人もいる。

矯正を始める人は、見える部分の歯をキレイにしようとします。
しかし、実際は歯の根元からキレイにしないといけないのです。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正は歯を動かしますが、セラミック矯正は歯を動かさずに見た目をキレイにする方法です。
そのため、必ず違和感が出てきてしまうのです。
実際に耐久年数がもつという話以前に、気になってやり直すという選択をする人が多いようです。

歯医者は歯を守る使命がある

見た目をすぐにキレイにしたいという気持ちはわかるが、歯科医である以上、患者さんの歯は守ってあげたい。
吉田先生はそう話していました。
今回はリスクを題材に話をすすめましたが、セラミック矯正のメリットは大きいものもあります。
時間はお金に変える事が出来ません。
吉田先生も、実際に患者さんの話を聞き、その人の人生の中でセラミック矯正が必要と判断すれば、治療を行うと話していました。
しかし、リスクを伝えずに治療に踏み切る歯科医も多いようです。
セラミック矯正をする場合は、治療に潜むリスクを理解した上で始めることをお勧めします。

■今回ご協力していただいた先生
四ツ橋グリーンデンタルオフィス
院長 吉田和史先生
当院では一般歯科、予防歯科、矯正治療など幅広くご提供しています。
そのため、どんな症例に対しても、適切な診療を行うことが可能です。
来院する患者さんの半分以上がリンガル矯正を行うため、多くの実績と経験があります。
歯列矯正は見た目をキレイにすることだけが目的ではありません。
噛み合わせもしっかり改善し、歯の健康を保ち、美しく整えていくことが目的です。
「笑顔に自信を持ちたい、自然な笑顔を見せたい」という方は是非ご相談ください。