インプラントには寿命がある
高いお金を払って入れるインプラントが、どれくらい持つか気になる方も多いのではないでしょうか。
5年や10年で寿命がきてしまい、取り換えないといけない事があれば、この先いくらかかるのか不安になってしまいます。
インプラントの寿命を聞かれたとしても、正確な年数をお答えするのは難しいものがあります。
人によって全く違いますし、普段の生活で歯にどれだけ負担がかかっているかによっても、変わってくるのです。
そして、治療をしてくれた歯科医の技術によっても大きく変わってくるのです。
ただ、インプラントメーカーが商品を出している保証期間が10年とされているため、寿命は10年という認識が広まっています。
歯のメンテナンス次第では、20年、30年と持つこともあるので、定期的なお手入れが必要です。
今回はインプラントの寿命を少しでも長くする方法と、よく似たブリッジの寿命なども合わせて紹介していきたいと思います。
インプラントの10年生存率
厚生労働省が、日本歯科医学に委託して、インプラントの生存率を調べたことがあります。
部分的、またはすべての歯を失ったケースで、10~15年のインプラントの生存率は上あごで90%、下あごで94%といった報告があります。
他の検査や研究でも同じような結果が出ているため、インプラントの10年生存率は90%前後と言えます。
この数字が高いと捉えるか、低いと捉えるかは人それぞれですが、1割の人は高いお金を払ったのにも関わらず、歯を失ってしまっているのです。
インプラントの大手メーカーのノーベル・バイオケア社のインプラントは治療が完了してから、10年のメーカー保証が付いています。
埋入した骨からフィクスチャーが脱落してしまった場合や、破損してしまった場合は無償で交換すると言った内容です。
インプラントの上部構造は、別途負担になります。
歯科医にもよりますが、3年以内であれば無償になり、それを超えると負担額が大きくなると言った所が多いです。
ただ、インプラントに保証が付いているとは言え、10年でフィクスチャーが脱落するという事はほとんどありません。
インプラントの撤去理由
インプラントを撤去する理由で一番多いのが、インプラント歯周炎です。
歯科医の中には、歯周炎になるまでがインプラントの寿命という人もいるくらいです。
インプラント歯周炎とは、インプラントの周辺で炎症が起きてしまう病気です。
歯周病と同じように、細菌の塊(プラーク)がたまり、それらの細菌の毒素により歯茎や歯槽骨が溶かされてしまうのです。
炎症がひどくなってきると、インプラントを支える事が出来なくなってしまい脱落してしまいます。
インプラント歯周炎は自覚症状が少なく気づきにくいのも特徴です。
インプラントの上部構造は、セラミックで出来ているので虫歯になることはありませんが、歯周病には注意しなくてはいけません。
そのため、インプラントを入れたあとも定期的なメンテナンスを歯医者に行って行う必要があるのです。
しっかりメンテナンスを行えば、インプラントは15年、20年でも持ち、一生ものの第二の永久歯となるのです。
ブリッジの寿命
インプラントとよく比較される治療法で、ブリッジや入れ歯があります。
ブリッジは欠損してしまった歯の両隣の歯を削り、橋渡しのような形で補綴する治療です。
寿命は平均で7年と言われており、10年生存率も50~70%とインプラントに比べて低くなっています。
ブリッジは、自分の歯を削って土台にします。場合によっては神経を抜くこともあるため歯の寿命が大きく減ってしまいます。
一度削ってしまった歯は虫歯になりやすく、ブリッジの下で土台がボロボロになっていってしまうのです。
土台がボロボロになってしまえば、インプラントを入れる治療方法しかありません。
結局最後にインプラントになってしまうのであれば、初めからインプラントを入れてしまうというのも1つの手かもしれません。
しかし、ブリッジもインプラントと同様に、信頼できる歯科医に翔着してもらい、日々のメンテナンスをしっかり行えば寿命が長くなります。
長く付き合っていくものなので、手入れをしっかりしましょう。
歯科医の腕前も大事
インプラントもブリッジも、確かに素材の寿命がありますが、歯科医の技術で寿命も大きく変わります。
審美性だけを求めて、インプラントを入れる歯科医もいれば、噛み合わせまでしっかり考えて治療してくれる歯科医もいます。
インプラントが出来る歯医者さんが増えた分、歯科医のよって技術の差も大きくなってしまいました。
インプラントは安い買い物ではありませんし、自分の大切な身体の一部になるものです。
値段だけで歯医者を決めず、信頼できる歯科医で、安心できる治療をするようにしましょう。
セルフメンテナンスと、定期的なクリーニングを欠かさなければ、一生ものの大事な歯となるでしょう。