インプラントは万能ではない
インプラントは一生使う物。
そう思い、治療を開始する人も多いでしょう。
歯を欠損した場合、新しい歯を入れる方法は、部分入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つしかありません。
隣の歯にかかる負担や、見た目の良さからインプラントを選択する人も多いでしょう。
ただ、高い料金を払って失敗する前に、本当に信頼できる歯医者か確認することが大事です。
インプラントを正しく処置された場合、寿命は40年以上とも言われています。
しかし、適切な処置をして治療されているものほとんどないというのが現状です。
骨に穴をあけて、歯を入れたけど合わなかった。
安かったからとりあえずやってみたけど、腫れが引かない。
終わった後にトラブルが出てきてしまっては遅いのです。
近年、インプラントをしてくれる歯科医院が増えました。
しかし、知識不足や技術不足から失敗したケースというのも残念ながら年々増えているのです。
インプラントをする上では病院選びと歯が欠損した原因を知ることが非常に大事になってきます。
これからしようと考えている人に読んでいただければ幸いです。
歯がなくなった原因の改善が必要
歯が欠損したからインプラントを入れよう。
そう考える人がほとんどだと思いますが、歯が欠損してしまった理由まで考えた事はありますでしょうか?
突発的な事故で歯を失ってしまったのであれば仕方がありませんが、虫歯や破折の場合は、根本的な噛み合わせが悪いことで引き起こされている可能性が高いのです。
その原因を改善しないまま、インプラントを入れてしまうと、今度は他の歯にも影響が出てきてしまいます。
噛みあわせが悪くても、自然に削れて噛み合わせが合ってくるという事もありますが、インプラントでは噛み合わせがよくなるという事はありません。
インプラントは部分入れ歯などと違い、取り外しができるものではありません。
入れる時にはなくなった原因を理解し、同じことを繰り返さないように、慎重に考えた方がいいでしょう。
原因を解明するには、CTやレントゲンなどをしっかり撮ってくれて、治療後の噛み合わせまで考えてくれる歯科をお勧めします。
知識が少ない歯科が多い現状
年々、歯医者さんの数が増えているのは御存じでしょうか?
その数はコンビニエンスストアの1.7倍とも言われています。
しかし、日本の人工は少なくなっています。
患者の数が限られている中、各歯科医では経営を安定させるために色んな施策をしています。
歯科医で一番儲かると言われているのが、虫歯の治療や親不知を抜くという事ではなく、自由診療のインプラントなのです。
インプラントで歯を治療しようと思うと1本あたり20万~70万円と、歯科医によって大きく差が出ます。
価格は歯科で自由に決めることが出来るため、大きな利益を得ることが出来るのです。
利益を求めるあまり、長持ちするからという理由だけで、健康な歯も抜いてインプラントを進める歯科医もあるようです。
歯医者の数が多ければ多くなるほど、技術の差が大きくなっていきます。
当然、インプラントの治療を多くこなしている所であれば安心出来ますが、症例がない歯科医だと不安になってしまいます。
今では大学でインプランの授業があり学ぶようになりましたが、昔は独学で治療を行っていました。
講習会に出ただけでインプラントの治療を始める歯科医もあるそうです。
歯科医によってインプラント技術に差があり、それがトラブルに直結している事も多いようです。
特に、全ての歯をインプラントにするように提案してくる歯科医は注意が必要です。
利益を追い求めている歯科医か、自分の歯を大切に考えてくれる歯科医か判断を間違えないようにしましょう。
インプラント周囲炎という病気
インプラント周辺が細菌に感染してしまい炎症を起こしてしまう事があります。
インプラント周囲炎とは、細菌の塊(プラーク)により炎症が起きて、歯周病とよく似た症状が出ます。
放っておくと、インプラントに沿って感染が進行していってしまうので、最終的には支えている骨が喪失してしまいます。
インプラントは天然歯に比べて、防御機能が弱いため、一度炎症を起こしてしまうと進行も早く、骨髄にまで波及してしまいます。
歯科技術が進んでいるスウェーデンでは、インプラントを入れた方のうち、4人に1人が周囲炎にかかっていると言われています。
日本だとそれ以上の割合でかかる可能性が高いのが現状です。
インプラント周囲炎にかからないためにも、定期的なメンテナンスが必要になってきます。
無事にインプラントを入れたから安心ではなく、そこから良い状態を維持していくことが大事なのです。
インプラントは手術である
インプラント治療を行うにあたって抜いてしまった歯はもう元には戻りません。
そしてインプラントは異物を体の中に打ち込むという事をよく理解しておいてください。
治療をした後に後悔しても遅いのです。
少しでも、不安があれば他の歯科医で話を聞いて慎重にすすめてください。
今回はインプラントの不安な部分を多くお伝えしましたが、良い部分もたくさんあります。
歯が欠損したままの状態より、新しい歯を入れた方が良いのは間違いありません。
インプラントを入れた事により、生活が向上したという人も本当にたくさんいます。
あなたが良い歯科医に巡り合い、適切な治療を行えることを願っております。