歯列矯正豆知識

審美歯科と矯正歯科の大きな違い

全く違う!審美歯科と矯正歯科

あなたは、矯正するにあたって何を一番優先しますか?
それによって、矯正する歯科が変わる可能性があります。
自分の歯をじっくり長い期間かけて動かしてキレイにしたいと思うのであれば、矯正歯科へ。
時間がないけど、とりあえず見た目を優先でキレイにしたいと思えば、審美歯科へ行くことをお勧めします。
審美歯科も、矯正歯科も歯の専門家ですが、根本的な考えが大きくことなります。
矯正を考えている方は、両方の歯科医に相談してみてもいいかもしれません。

見た目最優先の審美歯科

審美歯科で行う矯正で最も一般的なのが、セラミック矯正です。
芸能人やモデルなど、人前で仕事をすることが多い人におすすめの治療方法です。
審美歯科の一番の目的は、キレイな歯を手に入れることです。
見た目を美しくすることに、すべての力を注いでいるといっても過言ではありません。
そのため、歯を美しくするためには、健康な歯を削ることも十分にあります。
実際に、審美歯科で行うセラミック矯正は、上からセラミックの被せものをするためのスペースを確保するため、現状の歯を大きく削ります。
そして、土台を作って新しい人工の歯を装着するのです。
1本から治療することも出来ますし、前歯をまとめて治療することも出来ます。
まとめて治療する場合は、ブリッジのように連なった歯を入れていくことが多いです。
現状の歯の状態や、歯並びによって削る量は大きく変わりますが、神経を抜くこともよくあります。

ここまで聞くと、歯に大きな負担がかかるため、良い印象を受けない方もいますが、矯正歯科に比べて期間が圧倒的に短いのが特徴です。
削る範囲にもよりますが、1~2か月でキレイな歯が手に入るので、予定が立てやすいのも大きなポイントです。
結婚式や祝い事などの晴れ舞台を想定して、審美歯科にいく方もたくさんいます。
矯正器具を口に中に入れると言ったストレスも全くないので見た目を追い求める方にはお勧めです。

審美歯科の目的は見た目を良くすること。そのため人工の歯を使用する。

噛み合わせを優先する矯正歯科

矯正歯科で行う治療で最もポピュラーなのが、ワイヤーブラケット矯正です。
歯にギラギラした装置を装着するため、かなり目立ってしまう矯正方法です。
矯正歯科の一番の目的は、噛み合わせを改善し、自分の歯を使って歯並びを治すことです。
患者さんの歯を生かすことを最優先に考えて歯列矯正を進めていきます。
削った歯は、もう二度と戻ってはきません。
この先長い目で見たとき、自分の歯を削らす使い続けることで一生ものの歯にしていくのです。
審美歯科と違い、噛み合わせを良くしていくので、食事をとりやすくなったり、顎関節症になるリスクも減っていきます。
ただ、大きなデメリットとして、矯正具を2~3年と長い期間装着しないといけないということ。
矯正具を付けている時間は本当に長く感じます。矯正具が邪魔で、歯が動いているのか分かりにくく、モチベーションもなかなか上がりません。
2か月後に、結婚式が控えているからそれまでに歯をキレイにしたい!
そんな事を言っても、2か月じゃほとんど変わりません。
矯正具にもまだ慣れていなくて、苦しんでいる時に、結婚式を迎えてしまうかもしれません。
そして装着していることによる物理的なデメリットも多く生じます。
慣れていないときは、口内炎などのトラブルも多いですし、ワイヤーを調整した際は強い痛みが生じることもあります。
治療中しか痛みがない審美歯科に比べてはるかにストレスがかかるのです。(審美歯科は痛みを麻酔で軽減しているためほとんどありません)
しかし、そのストレスを耐えれば自分が求めていた理想の歯並びを手に入れることが出来るのです。

矯正歯科の目的は噛み合わせをよくして、自分の歯を使い歯並びを良くすること。

どちらが良いかはその人次第

ここまで見て、矯正歯科か審美歯科のどちらがいいと思いましたか?
書き方では一方が悪く見えるかもしれませんが、どちらがいいとは言い切れません。
患者さんが求めているものによって、意見は分かれます。
本音は、自分の歯を使ってキレイにしたい方が多いでしょう。
だからこそ、長い目で見て矯正歯科に行きたいと思う方が多いのではないでしょうか。
しかし、長い月日がかかる、早くキレイにしたいという思いが入ってくると、すぐにキレイになる審美歯科に揺れてしまう気持ちも十分に分かります。
歯科によっては、ブラケットワイヤー矯正とセラミック矯正を併用してキレイにしてくれる所もあります。
矯正歯科、審美歯科と分かれていますが、審美歯科にも歯を大切に思ってくれている歯科医はいます。
逆に、矯正歯科でも歯をキレイにするために、色んなアドバイスをしてくれる歯科医もいます。
両方の歯科に行ってみて、話を聞き、自分の歯について親身に考えてくれる歯科を選べばいいのではないでしょうか。
歯医者に行ってすぐに決めなくても構いません。
セカンドオピニオンという形で色んな方の意見を聞いてみて下さい。