子供の歯列矯正を考えている
小さい頃歯並びが悪く、コンプレックスを感じていたから、自分の子供には同じ思いをしてほしくない。
そう思い、小学生の子供を矯正歯科へ連れていく親御さんも多いのではないでしょうか。
私も小さい頃、両親に矯正歯科へ連れていってもらいました。
小さい頃は矯正歯科に通院するのが嫌で、矯正装置も外したくて仕方ありませんでした。
そして大人になった今では、嫌がる息子を矯正歯科に連れて行っているのです。
子供の時あんなに嫌だったのにすごくギャップを感じていますが、小学生の頃に受けた矯正治療に今ではとても満足しているのです。
矯正治療は、早い時期に始めるに越したことはありません。
永久歯に生え揃う前から通院することで、抜歯の必要性もなくなるかもしれません。
また、生えそろったばかりの永久歯は動きやすく、矯正治療にも適しているのです。
今回は小学生の頃に行う矯正治療についてまとめてみました。
乳歯と永久歯の数で治療が変わる
子供の歯は年齢を重ねていくほど生え変わっていきます。
1歳ごろから歯が生え始めて、6歳ごろまでに乳歯が生え揃います。
そして、6歳から12歳ごろまでの間に乳歯から永久歯へと生え変わっていきます。
乳歯と永久歯が混在している時期を混合歯列期といいます。
そして12歳以降の中学生に入るぐらいの時期に、永久歯が生え揃います。
この時期を永久歯列期といいます。
小さい子供の矯正治療は大きく2つに分けられます。
1つ目が、乳歯から永久歯に生え変わる混合歯列期に行う「第一期治療」というもの。
2つ目が、永久歯に生え変わってから行う「第二期治療」というもの。
矯正歯科でレントゲンを撮り、精密検査を行なった後、どのような治療を開始していくか決めていきます。
第一期治療の大切さ
小学生の頃から矯正治療を考えているのであれば、第一期治療を行うことが多いです。
この治療の目的は、永久歯が正常な位置で生えてくるための準備をしてあげるというものです。
近年、歯並びが悪い子供たちの原因は、歯がきちんと並べるスペースが狭いという事があります。
そのため、一番骨格が成長しやすい時期に、歯が並ぶスペースを確保してあげるのです。
スペースを確保することが出来れば、抜歯の必要性もなくなるので、子供にかかる負担はかなり少なくなります。
親の気持ちとしても、せっかく生えてきた健康な歯を抜くのは少し心が痛みます。
治療としては大きく2種類の方法があります。
1つ目は拡大床と言われる取り外しが可能なプレートを、1日12~15時間を目安に上あごと下あごに装着します。
極力装着しておいたほうが良いですが、外して学校に行く子供もいます。
2つ目は急速拡大装置と呼ばれるもので取り外しができません。
その代わり、プレートよりも大きさは小さくなっています。
小臼歯と大臼歯にバンドを付けて固定して、外へと力を加えていきます。
装置の真ん中にスクリューが付いているので、ネジを回して装置をどんどん広げていきます。
メリットとしては、付け忘れるという事がないので確実に上あごは大きくなります。
そして、装着している時間が長いのであごの拡大量が大きく、早いのも特徴です。
10日で2mmのスピードで拡大されていきます。
ただ、取り外しができないため、最初の方は違和感があります。
食事や発音にも影響が多少出てきますが、1か月もあれば装置に慣れてきます。
基本的に裏側に装着する装置なので、普通の生活をしているだけでは装着している事を気づかれません。
小学生のころの治療方法は、永久歯が生えそろっていない場合が多いので、あごを拡張する治療がメインになります。
永久歯が生えそろってからは成人と同じ矯正治療を行います。
ただ、永久歯が生えそろってからすぐに矯正治療に入ると、歯も動きやすくスムーズに治療が行えるので早くすればするほど、早く終わります。
第二期治療はした方が良いのか
大人になってからの歯列矯正でワイヤー矯正をした場合、70~80万円の金額がかかります。
子供の時に矯正した場合は、第一期治療で40~50万円かかり、二期治療でも同等の金額がかかってきます。
治療を第一期治療で終えることが出来れば矯正にかかる費用を大きく抑えることが出来ます。
しかし、多くの方が第二期治療まで行います。
ただ、結果的に金額がかかったとしても、小学生の頃から矯正をするメリットはあります。
まず第一期治療で、土台の環境を整えているので第二期治療の期間が短くなる傾向が多いです。
通常2~3年かかる矯正治療が約1年減ると考えてください。(歯の状態にもよる)
そして、十分なスペースを確保しているので抜歯をする必要性が少なくなります。
小学生の頃から矯正治療を行うことで、時間と自分の歯を得ることが出来るのです。
この2つはお金で解決するものではありません。早いうちから矯正治療を始める人への特権のようなものです。
子供は矯正治療を嫌がります。
矯正をすることで歯は締め付けられて痛いし、銀色の目立つ装置もつけないといけないし。
幸いにも、私は友人にからかわれる事はありませんでしたが、言われる子供もいるでしょう。
そういった積み重ねが子供を矯正嫌いにしてしまいます。
でも、成人した今では、小さい頃に通院させてくれた事を感謝しています。
きっと今嫌がっていても、いずれ感謝されます。
矯正の大切さ、歯の大切さを子供に伝えて、両親が一緒に通ってあげて矯正歯科は怖くない所と教えてあげて下さい。
第一期治療がうまくいけば、抜歯など痛い思いをしなくても大丈夫にもなります。
両親が楽しく矯正歯科に通っている姿を見せれば、子供も楽しく通えるようになるでしょう。