歯列矯正豆知識

歯並びが原因で起こる顎関節症

歯っくん
歯っくん
口を開いたらガクンガクンなるのですが、これって何ですか?

歯教授
歯教授
顎関節症の恐れがあるね。放っておくと口を開くのも痛くなるから、早めに治療した方がいいかもしれません。

顎関節症(がくかんせつしょう)という言葉を聞いた事がありますでしょうか。
口を大きく開けると、ガクンガクンなってしまうアレです。
もしあなたが、口を大きく開けない、開いてもガクンとなってしまうという場合は顎関節症の恐れがあります。
顎関節症とは、上あごと下あごをつなぐ顎関節に異常が現れてしまう事です。
原因の解明はハッキリとされていませんが、有力なのが歯の噛み合わせが悪いことで起こりやすくなるということです。
そのため、歯列矯正などで歯並びを整えてあげることで顎関節の動きも正常に戻ることがあります。
顎関節症は、あごだけでなく全身に悪い影響を与えてしまいます。
口を開けたときに少しでも違和感があれば、早い段階で治療や歯列矯正を始める事をお勧めします。

なぜ顎関節症になってしまう?

顎関節症は、一生のうち2人に1人はなってしまうと言われているほど、身近な症状なのです。
主な症状は、口を開こうとすると痛みが生じて大きく開けない。口を開ける時に顎関節に音がする。このような症状が出ることが多いです。
食事をする、話をする、あくびをするという生きる事に必要な行為は、あごが正常に動くことで実現します。
顎関節がおかしくなってしまうと、これらの生きるための行為が、自然にできなくなるのです。
顎関節症になってしまう原因は、歯の噛み合わせが悪いからと言われてきました。
しかし、最近の研究では、要因の1つに噛み合わせは関係ありますが、顎関節や顎の筋肉の弱さ、日常的な習慣も関係しているようです。
睡眠中に、歯ぎしりしたり、くいしばりで顎に力がかかっている状態も原因と言われています。
歯並びも原因の1つですが、それ以外の要因もいくつか重なって起きると考えられるようになりました。

顎関節症が与える全身への影響

顎関節症は口の中のトラブルだけでなく、与える影響は全身に及ぶと言われております。
顎関節症が引き起こす可能性がある症状はたくさんあります。
肩や首のこり、頭痛、手足のしびれ、めまい、耳鳴り、難聴、視力障碍、目の疲れ、動悸、息切れ、不眠、気力の減退、集中力の低下、記憶力の低下。
すべてを上げきるのが難しいほど、多岐にわたっています。
このような現象がなぜ起こるのか、現在の医学でははっきり解明されていません。
しかし、顎関節が頸椎や頭蓋骨につながる重要な場所にあるのが理由とも言われています。
顎関節の後ろには、神経や血管が脳まで続いています。
噛み合わせが悪くなり、あごの骨がズレてしまうと、神経や血管を圧迫してしまいます。
圧迫された神経の中には、目や鼻などの感覚器官や脳につながる神経も含まれています。
そのため、頭痛が生じたり、めまいが起こったりするのです。
歯並びをキレイにして、顎関節症を改善されることで上記の症状が治ることもあるのです。
ただ、症状と治療にはあくまで個人差があるのでご注意下さい

顎関節症の改善方法

顎関節症の効果的な治療法というものは確立されていません。
そのため、行く歯科や病院によって治療法が異なる可能性があります。

  • 薬物療法
    顎の痛みが強い場合は、薬で痛みを抑えることもあります。ほほやあごの筋肉が緊張している場合、緩めたりすることもあります。
  • 理学療法
    こちらも、顎回りの筋肉の緊張をほぐすのが目的です。電気を流したり、マッサージをして改善していきます。
  • 運動療法
    顎回りの筋肉のストレッチを行います。少しずつ口を開ける幅を広げていきます。リハビリのような物です。
  • スプリント療法
    顎関節症の原因が、歯ぎしりや食いしばりと判断された時はマウスピースを装着して、睡眠中の歯を保護します。

顎関節症の改善方法で、歯並びをよくするという方法もあります。
歯の噛み合わせが悪いことが原因で、あごの顎関節がズレてくると言う専門家も多くいます。
歯列矯正でかみ合わせを良くして、根本的に治していきます。
歯列矯正は保険適応外となってしまいますので、他の治療法に比べて金銭的な負担が大きいのと、治療に長い時間がかかってしまいます。
しかし、噛み合わせがよくなると、顎関節症の症状が和らぐという方も多くいます。

歯列矯正で得られるメリットは顎関節症の改善だけでなく、見た目、生活の向上など色んな部分で恩恵を受けることが出来ます。
最初に診断していただいた歯科医や医者によって治療方針は異なります。
1つの病院で決めず、セカンドオピニオンでどのような治療をしていくかというアドバイスをもらっても良いかもしれません。
もしあなたが、顎関節症で悩んでいて、歯並びが悪いのであれば歯列矯正を考えてみてもいいかもしれません。
一度近くの歯科医に相談してみてください。