虫歯でも歯列矯正は可能なのか
自分の歯にコンプレックスを持っていたけど、歯列矯正できなかった。
大人になって余裕が出来たから歯列矯正を始めようという人は多いのではないでしょうか。
しかし、若いころと違って長い年月が経ってしまったため、口の中は虫歯だらけ。
治療を完了している歯もあるけど、治療途中で放置してしまっている歯や、完全に抜け落ちてしまっている歯がある人もいるのではないでしょうか。
そんなボロボロの状態で歯列矯正を始めることは出来るのでしょうか。
矯正治療の前に治療をする

毎日しっかり歯を磨いていても、年齢とともに虫歯や歯周病になってしまい、歯はどんどんボロボロになっていく人もいます。
歯を失ってしまう原因で一番多いと言われている歯周病は、30代以上の約3人に2人がかかっていると言われています。
せっかく歯列矯正で歯をキレイに整えても、失ってしまっては矯正をした意味がありません。
そのため、歯列矯正を始める前に、歯を失う原因になる虫歯や歯周病は治療しなくてはいけません。
もし、治療をせずに矯正治療を始めてしまうと、矯正具の影響で歯が磨きにくくなり、歯を失うリスクが大幅に増えてしまうのです。
銀歯や被せものがあっても矯正できるのか
悪化している虫歯の場合、クラウンなどの被せものをする前に仮歯を入れてあげて、矯正が終了した後にきちんと歯並びに合ったものを入れてあげます。
歯にブラケットを装着して、ワイヤーで引っ張って矯正をしていく方法であれば、銀歯でも被せものでも動かすことは可能です。
ただ、被せものがセラミックの場合、ブラケットが外れやすくなってしまうため治療に少し時間がかかってしまいます。
矯正前に、銀歯や被せものは一度外して、中を確認してから矯正を始めるという歯科医もいます。
歯の神経を取って被せものをしている場合、本人の気付かない所で、中に虫歯が出来ているということがあるのです。
矯正をするにあたってスペースを作る際に抜歯する歯を選ぶときに、歯の状態が悪いものを抜くこともあります。
被せものをとった歯には、仮の歯を付けて矯正具を装着していきます。
そして矯正終了後に新しい噛み合わせにあった被せものを作ってあげるのです。
古い銀歯や被せものをそのままにしておくと、虫歯のリスクだけでなく、歯が移動したことによる噛み合わせにも影響が出てきてしまいます。
そのため矯正完了後に新しく作り直すことが多いのです。
ブリッジやセラミックが入っている場合はどうなる
銀歯などの被せものだけでなく、セラミック矯正で入れた歯や、ブリッジがある場合は治療方法が少し異なります。
セラミック矯正で歯をキレイにしたけど、思っていた仕上がりと違った。
このような理由で、ワイヤー矯正で再度キレイにしていきたいという方もいます。
これらの治療は、被せものの時に比べ治療が難しくなってしまいます。
セラミック矯正やブリッジは、表面上に出ている歯はまっすぐになっていますが、歯茎に埋まっている部分が斜めになっている場合やズレているケースが多いのです。
そのため、一度セラミックの部分を取り除き、元の歯がどのように生えていたかという事を想像しなくていけないのです。
想像のもと、プラスチックなどで仮の歯を作り、その歯にブラケットを装着して根元から動かしていくため、治療にかかる時間も長くなってしまいます。
歯科医の技術や経験も必要になってくるため、歯医者選びも大事になってきます。
矯正中に虫歯になった場合

矯正前に虫歯や歯周病になった場合は、治療をしてから矯正に入ります。
しかし、矯正中にも虫歯になることがあります。
矯正期間中は、歯の矯正具を装着するため非常に磨きづらいのがデメリットです。
矯正具を装着していても、治療することは可能ですが、器具を取り外すなど大がかりになるため出来る限り避けたいものです。
普段から念入りに磨く癖付けをして、虫歯や歯周病を予防するという意識が大事になってきます。
虫歯だらけの歯でも歯列矯正をすることは可能です。
しかし、治療に時間とお金がかかってくることは間違いないでしょう。