歯並びが悪いと虫歯になりやすい
「おやつの時間は3時です。」
子供の頃は、決められた時間に間食をしていましたが、大人になってからは時間を守らなくなったのではないでしょうか。
私も守らなくなった大人の1人です。
甘い物ばかり食べていたから虫歯になってしまったという事をよく聞きます。
確かに甘い物や柔らかい物を食べていると、虫歯になってしまうリスクは増えますが、食べる物より間食の多さが虫歯になるリスクを上げてしまうのです。
間食の頻度が多くても、毎回歯磨きをしていれば問題ありませんが、している人は少ないのではないでしょうか。
見た目では分かりにくいですが、虫歯が出来てしまう所には、ほぼ必ずと言っていいほど磨き残しがあります。
この磨き残しが出やすい場所が、ブラシが届きにくい所や、歯並びが悪い所なのです。
虫歯は、毎回食後のブラッシングと歯並び矯正で予防することが出来ます。
虫歯の原因
虫歯の原因と、歯周病の原因は似ています。
両方とも、歯に詰まった食べかすや歯垢が石灰化されて、歯石になることで病が進行していきます。
歯垢はプラークと呼ばれ、多くの細菌やウィルスの塊です。
口内は細菌が繁殖しやすい環境なので、放置しておくと細菌が繁殖してしまいます。
虫歯は、虫歯菌(ミュータンス菌)が歯を溶かしていきます。この菌は、歯茎には住み着きません。
歯周病は、嫌気性菌という歯周病菌が、歯茎や歯を支える骨を溶かしていきます。歯には影響を与えません。
口内にいる菌の数は700種類以上と言われていて、それぞれの菌がそれぞれ壊せる所を壊しているのです。
歯に住み着いているミュータンス菌と、食べ物に含まれる糖質が一緒になることによって酸が作られます。
この酸が、歯の成分のカルシウムやリンを溶かしてしまいます。
この状態を放置してしまうと、徐々に虫歯が広がっていき虫歯に発展するのです。
虫歯の原因となるミュータンス菌をゼロにすることはできません。
糖分を摂取する時間が長ければ長いほど、口内で酸が作られて虫歯になるリスクが増えてしまいます。
そのため、間食を少なくして、決められた時間に食べるという事が虫歯のリスクを減らすのです。
おやつは3時に食べるという事は、しっかり理にかなっているのです。
虫歯になった場合の治療法
歯科検診で、C0、C1という言葉を聞いたことがあると思います。
これは虫歯の進行度を表しているもので、進行度によって治療方法も変わってきます。
虫歯の進行度は、C0~C4までの5段階に分かれています。
CO(シーゼロ)
初期虫歯の段階です。表面のエナメル質が少し濁ってきている状態で、自覚症状は全くありません。
元の段階に戻すことが可能で、丁寧な歯磨きやフッ素を使った歯磨きで改善します。
C1(シーワン)
こちらも虫歯の初期の段階です。エナメル質が少し溶けた状態です。溶けてしまっているのが表面部分だけなので、少し削るだけで治療が完了します。
痛みが全くないため、見つけるのは困難です。
C2(シーツー)
虫歯が、象牙質まで進行した状態です。この段階になれば水がしみたり、痛みが生じ始めます。見た目も黒っぽくなっており、明らかに穴が開いている状態です。
ここまで進行してしまうと、少し大きめに削っていかなければいけません。削ったあとは、詰め物やクラウンを被せていきます。
C3(シースリー)
虫歯の進行が神経まで達してしまった状況です。ここまでくると激しい痛みが生じてしまいます。歯が痛くて眠れないなど、日常生活にも多くの弊害が生まれてしまいます。
治療方法としては、大きく削らないといけないため、神経も取らなければいけません。残った歯を利用してクラウンを被せていきます。
C4(シーフォー)
虫歯の最終段階です。表面の歯がほとんどなくなり、歯の根っこだけが残ってしまっている段階です。この段階になると、歯の神経は死んでしまっているので痛みは感じません。
放っておくと、膿が出たり口臭の原因になるので、歯を抜くしかありません。抜いた後は、ブリッジ、インプラント、入れ歯と言った新しい歯を入れる方法しかありません。
このように虫歯は進行度によって5つに分かれています。
ただ、虫歯が発症してしまうと現在出来る治療法は削ることのみです。
一度削ってしまった歯は、どんどん弱くなってしまい、再度虫歯にかかってしまうリスクが大幅に増えます。
定期的に歯医者でメンテナンスをして、虫歯になる前に予防していくことが大事なのです。
歯列矯正で虫歯のリスクを減らす
虫歯が発症するメカニズムは、磨き残しから始まります。
リスクを減らすためには、いかにきれいな状態を保っておくかという事が大切なのです。
近年では、虫歯予防の一環として歯列矯正をする人が増えました。
歯並びが悪い方は、歯が重なっていたりして、キレイに磨くことが出来ずに、歯垢が溜まってしまう傾向があります。
歯列矯正で、歯をキレイに並べなおしてあげることで、歯を磨きやすい口内環境を作ってあげるのです。
昔のように金属を歯に装着する矯正方法だけでなく、マウスピース矯正という食事や歯磨きの時に取り外せる矯正方法もあります。
見た目的な部分でも大幅に改善されているので、虫歯予防として歯列矯正を考えてみてはどうでしょうか。