口内トラブル

開咬は歯列矯正できるのか

開咬って何?

歯っくん
歯っくん
友達に「開咬だねぇ」と言われちゃった!初めて言われたんだけどそんなに悪い事なの?
歯教授
歯教授
上の歯と下の歯を咬み合わせた時に、隙間が広く開いている事を「開咬」というんだよ。多くの人に見られる症状だし、そこまで珍しくないよ。でも、そのまま放っておくよりも治療をした方がいいと思うよ。

開咬とは、上の歯と下の歯の隙間が開いてしまうことを言います。
隙間が大きければ大きいほど、見た目が良くなく、噛み合わせにも影響が出て来てしまいます。
今回は開咬によるリスクをご紹介したいと思います。

開咬には2種類ある

開咬は不正咬合の一種で、噛み合わせが正しくない状態と言われています。
そして開咬には2つの種類があります。
まず1つ目は、前歯に隙間が出来てしまう「前歯部開咬というものです。
物を噛んだとき、奥歯はしっかり噛めているのに、前歯に隙間が大きく開いてしまう症状です。
そしてもう1つが、臼歯部開咬といいます。
先ほどと逆で、前歯が噛み合わさっているのに奥歯に隙間が空いてしまうという症状です。
どちらも隙間が開いてしまう症状ですが、顎が小さい日本人は、前歯部開咬で悩んでいる人の方が多いです。

本来、上の歯は下にまっすぐ生えていき、下の歯もまっすぐ上に生えていきます。
下の歯に上の歯が少しかぶるのが理想と言われていますが、開咬は、上下の歯が前に出ていく症状の事を指します。
本来、噛み合わせは全ての歯で噛むことが理想とされています。
その方が歯のバランスが保つことが出来て、1本1本の負担も少なくなるのです。

開咬は治すべき理由3選

開咬を治したほうがいい理由が4つあります。
まず1つ目が、顎関節に支障が出るからです。
開咬により歯にかかるバランスが崩れてきてしまうと、顎関節症などに発展しやすくなってしまいます。
歯にかかる力のずれが、丈夫な顎の関節をも狂わしてしまうのです。
顎関節症の症状として、肩こりやめまい、頭痛といったものが起きて、日常生活にも負担が大きくかかってくるのです。

2つ目が、食事をしっかり噛めないことから胃腸障害になることもあります。
歯は身体の消化を助けるために、口の中で物を細かく刻みます。
物を噛み切れずに飲み込んでしまうと、消化の際に胃や腸に大きな負担がかかってしまいます。
その影響で、疲れやすかったり、眠たくなりやすかったりします。

3つ目は滑舌が悪くなるという事です。
前歯と、下の歯に隙間が出来ることで口内の空気が抜けやすくなってしまいます。
また、歯が開いている影響で口も上手くしまらず話にくさを感じることもあるようです。

4つ目は、虫歯や歯周病になるリスクが増えます。
開咬の方は、口呼吸の人が多く、夜寝るときに口を開けて眠ることがあります。
意識している時は口を閉じているのですが、リラックスをしている時は無意識に口が開いてしまうのです。
口呼吸をすると、口内が乾燥しやすくなってしまいます。
虫歯の原因となる菌は、本来唾液などで抑えられるのですが、乾燥してしまうと唾液が不足してしまい菌が増殖しやすくなってしまうのです。

開咬を改善するという事は、歯の噛み合わせを改善するという事に繋がります。
噛み合わせが悪ければ、見た目の問題だけでなく、身体の至る所に影響が出てきてしまいます。

癖でひどくなる

もともと、そこまでひどくなかったが、年齢を重ねるたびに隙間が大きくなったという事もよくあります。
これは普段の癖が大きく影響しています。
前歯を舌で押し出すような癖がある方は要注意です。
舌の癖を改善するためのトレーニングもあるので、なるべく前歯に舌が当たらないようにしていきましょう。

歯っくん
歯っくん
僕は昔から指を吸うクセがあったみたいなんだ。そのような手癖も開咬につながるケースになるんだって。もし自分の子供が指をしゃぶっていたらやめるようなトレーニングをした方がいいかもしれないね。
歯教授
歯教授
あと、頬杖などもあまりよくないんだよ。顎の骨に負担がかかり、歯がずれやすくなってしまうんだ。

歯列矯正で開咬を改善する

開咬の隙間の大きさにもよりますが、ワイヤー矯正、マウスピース矯正で開咬は改善することが出来ます。
開咬の原因の多くは、歯が生えるスペースがなかったため、前に押し出されて生えてきたというケースが多いです。
そのため、第一小臼歯を抜歯してスペースを広げてあげるという治療法が一般的です。
症状がひどい場合は、外科的な処置を行う歯科医院もあります
歯列矯正は見た目も良くなりますが、噛み合わせも改善してくれます。
治療には2~3年と長い期間がかかりますが、人生という時間の中で考えると短い物です。
噛み合わせが悪い状態が長く続けば、少しずつ身体に影響が出てきます。
しっかり噛んで食事をするという事は、生きるために避けては通れない部分です。
少しでも身体の負担を減らすために、歯列矯正で開咬を治してみるのも良いのではないでしょうか。