予防歯科で注目されているPMTC
「病気の中で虫歯だけが完全に予防できる唯一の疾患と言われている。」
以前、インタビューを行った予防歯科専門の歯科医院で聞いた言葉だ。
小学生のころ、親から歯を磨けと言われ続けたが、面倒くささが勝ってしまい歯を磨かなかった。
歯科検診では、虫歯を指摘されたが、歯医者が嫌いで結局は途中で行かなくなってしまう。
そんな事を繰り返すうちに、私の歯は虫歯だらけになってしまった。
奥に出来た虫歯は他人から見えないが、前歯に出来てしまった虫歯は本当に困る。
進行してしまって神経を抜いてしまった時には、歯が死んでしまいどんどん黒くなってしまうのだ。
これは、なかなかのコンプレックスになってしまう。
最近では歯列矯正を行って、歯並びをよくする人が多い。
しかし、歯列矯正をするにしても、歯が虫歯でボロボロになってしまっていればキレイに歯を動かすことが出来ない。
今さら後悔しても遅いのだが、ちゃんと歯磨きをして、ひどくなる前に歯医者に行っておけば良かったと本当に思う。
歯の大切さは大人になって気づくものだ。
歯科医院の先生が、虫歯は予防できると言っていたが、この話には続きがある。
セルフケアだけで虫歯を完全に予防するのはやはり難しいようだ。
そこで、セルフケアと同時に行うことで高い効果が得られるのPMTCというものが注目されている。
PMTCとは歯のクリーニング
PMTCとは、Profesional Mecganical Tooth Cleaning(専用機による歯のクリーニング)の略語で、簡単に言えば歯のクリーニングのことだ。
どれだけ歯ブラシで丁寧に磨いても、歯周ポケットの奥までキレイに磨くことはできない。
自分で取る事が出来ない歯石や歯垢、ステインを歯科医や歯科衛生士がキレイに掃除してくれるのだ。
ただ、PMTCは基本的に自費診療のため少しお金はかかる。
でも、歯の健康を維持できるのであれば、診療を受ける価値はある。
PMTCの基本的には以下のような流れで行われる。
1、 診察
2、 染め出し
3、 歯石除去
4、 歯面清掃
5、 仕上げ
6、 口腔衛生指導
まず初めに、歯と歯茎の状態を知るために診察をし、虫歯のチェックを行う。
その後に、染め出しをしていく。
染め出しとは、歯垢に反応する薬液を歯に塗ることで、汚れが残っている部分を分かりやすくするものだ。
それをすることで、どこの歯を磨くのが苦手で、汚れが残りやすいかという事を知ることが出来る。
この結果をもとに、最後に口腔衛生指導をしてくれる。
そして、スケーラーと呼ばれる専用の機械で、普段磨き切れない細かい部分まで1本1本キレイにしていく。
隙間だけでなく、歯の表面や裏面も研磨剤を使用して汚れを落としていく。
最後に仕上げとして、虫歯を予防するためのフッ素を塗って完了となる。
プロがキレイにしてくれるだけでも満足だが、セルフケアで自分がどこを磨くのが苦手か知れる事も大きい。
口腔衛生指導で学んだ事がこれからの自分のケアに活きるのだ。
PMTCの金額と期間
歯周病と認められている人に関しては、保険適応内で行う事も出来るが、口内全体をクリーニングすることは難しい。
PMTCは予防のために行うものなので、保険適応外になることが多い。
診察からクリーニングにかかる時間は、およそ1時間。
料金の目安は5,000円~20,000円とかなり幅が広い。
内容は金額によって多少左右される。
最後の仕上げで歯のツヤを出すためのトリートメント剤や、傷を修復するような薬剤を塗る場合は少し金額が上がる。
金額で選ぶのも1つだが、どのような診察をしてくれて、クリーニングをしていくかという事も1つの判断基準にしてもいいかもしれない。
通院の間隔も人によって異なるが、半年に1回くらいのペースで通うのが理想だと言われている。
それくらいのペースであれば、多少値段が張っても、キレイにクリーニングをしてくれる歯科医を選んだ方が良いのかもしれない。
虫歯予防に力を入れている歯科医院を探す
私は歯医者が嫌いだ。
歯医者は痛い所という認識があるから、出来るだけ行きたくない。
でも、歯医者が痛い所と認識するようになったのも自分のせいなのだ。
小さい頃、歯磨きをせず虫歯になってしまった。
早く治療をすれば、大きく削ったりする必要はなかったのに、ずっと歯医者に行かなかった。
そのおかげで虫歯はひどくなり、麻酔を打ったり、歯を抜いたりという「痛いこと」をしないといけなくなってしまったのだ。
もちろん歯科医も、痛い事をしたくてしているわけでない。
虫歯を治そうとしてくれているだけなのだ。
それなのに一方的に嫌いになってしまった自分が情けないと思う。
そんな私に先生はおっしゃった。
「子供の時に、親がしっかり歯医者に連れてきて、定期的に虫歯予防をしてくれていたら歯医者嫌いの子供は減る。PMTCもそうだが、予防の段階では痛いことはしない。それに親と一緒に通っているという安心感も生まれ歯医者に慣れてくる。そんな子供は歯医者に対してのイメージが違う。虫歯がなくても歯医者に連れていくという事が習慣になれば、虫歯で悩む子供もいなくなるかもね」