どこでも出来るホワイトニング
街中を歩いていると「ホワイトニング」という言葉をよく目にします。
ここ2~3年で急速に人気が出てきて、歯のメンテナンスとして通う人が増えました。
最初は歯医者さんでしか受けることが出来なかったホワイトニングも、最近では美容室や脱毛サロン、エステサロンなど色んな所で出来るようになりました。
ネットでも自分で歯を白くするためのホワイトニングキットが販売されています。
気軽にどこでも出来るようになった反面、知識がない人達も使えるようになりました。
そのためホワイトニングでのトラブルが多く報告されています。
今回はホワイトニングをする際の注意点や、歯医者でした方が良い理由などをお伝えしたいと思います。
ホワイトニングで歯が白くなる理由
歯はエナメル質と象牙質の2層から出来ています。歯の表面のエナメル質は加齢によって薄くなっていきます。
そのため、下の層にある象牙質の色が出てきてしまい黄ばんだ色に見えてしまうのです。
このほかにも、日々の食事で歯に色がついてしまうこともよくあります。
コーヒーを飲んだり、カレーを食べると着色汚れ(ステイン)が付着し、歯がだんだん黄ばんでいきます。
歯を白くするためのホワイトニング剤には、過酸化水素という成分が入っています。
この成分が、を傷付けることなく、歯に沈着してしまった着色汚れを細かく分解してくれるのです。
そして、象牙質が透けにくくなるように、エナメル質を曇りガラス状にする効果もあります。
回数を重ねるほど、着色汚れが取れていくため、数回に分けてホワイトニングをすることが多いです。
プラスチックなどの人工的に作られた被せものの着色汚れは取ることが出来ません。
この他、神経をとってしまった影響で変色してしまった歯も白くすることが出来ません。
ホワイトニングが出来ない人
ホワイトニングは基本的には安全ですが、人によっては控えた方が良いケースがあります。
そのような判断も個人ではなかなか、しにくいものです。
- 虫歯や歯周病がある。
虫歯や歯周病がある状態でホワイトニングをしてしまうと、薬剤がしみて強い痛いを感じることがあります。
治療中の歯でも痛みを生じることがあるので、しっかり治療が完了した後にホワイトニングをした方がいいでしょう。
歯ぎしりなどで歯にヒビが入っていたり、削れてしまっている場合も注意が必要です。 - 18歳以下
明確な年齢制限はありませんが、18歳以下はホワイトニングを禁止している所が多いです。
歯が成長段階のときは、エナメル質が未熟な状態のため歯がダメージを受けやすくなってしまいます。
知覚過敏などの症状も出やすいため基本的には若い時は避けた方がいいでしょう。 - 無力タラーゼ症
あまり馴染みがない病気かもしれませんが、無力タラーゼ症は過酸化水素の分解が出来ません。
そのため、過酸化水素が入っているジェルを歯に塗ってしまうと、口内壊死など重大なトラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。 - 光過敏症
強い光の照射により、口内に水膨れが出来てしまうことがあります。ホワイトニングはジェルを塗ったあと、光を照射していくので光過敏症の場合は施術できません。
光を照射しないホワイトニングもあるので、そちらの利用をお勧めします。
上記に当てはまる場合はホワイトニングを控えた方がいいでしょう。
虫歯や歯周病の方は、自分の判断で行うと、後で取り返しのつかないトラブルを起こしてしまう可能性もあります。
どうしてもホワイトニングをしたい場合は一度歯医者で相談してみた方がいいかもしれません。
歯医者でホワイトニング
ネットで販売されているホワイトニングの薬剤にも注意が必要です。
早く白くしたいという理由だけで過酸化水素の濃度が高い物を選ぶのは絶対にやめてください。
日本でも認定されていない濃度の薬剤が販売されていることもよくあるので注意してください。
日本人は海外の方に比べ歯のエナメル質が薄いため、日本人の歯に合わない薬も多くあります。
トラブルが起きては遅いので、低濃度の薬剤から使ってみてください。
色んな所でホワイトニングが出来るようになりましたが、私は歯医者でのホワイトニングをお勧めします。
エステサロンや美容室で行っているホワイトニングは、セルフホワイトニングです。
専門的な知識があまりなく、場所を提供しているだけで、お客様の自己責任で行ってもらうと言ったスタンスです。
それに比べ、歯医者でホワイトニングをする場合は事前に歯科医が歯の状況を見てくれます。
虫歯や歯周病になってしまっている場合は、ホワイトニングよりも先に治療を行うケースもありますが、より安全に施術を行うことが出来るのです。
もし、トラブルが起こったとしてもすぐに対応してもらえるので安心です。